新「育児の原理」

「育児の神様」と呼ばれた小児科医
内藤寿七郎先生が綴ったホッとする育児書です。


育児に行き詰まったお母さんが、わたしの本を読んでホッとするとおっしゃってくださいます。
この本は、いわばその「ホッとする」の集大成ですから、ずっと読んでいただいたら、それこそ、ホッとしていただけるんじゃないかと思います。
ある方からお手紙を頂戴しました。
その方の手紙に、ちょっと不安があると何回でも読みなおして、非常に有難いと思ったと、こうおっしゃっていましたが、わたしには、それが有難かった。
何遍でも、つっかえたら読んでいただくのが、わたしの願いです。
それで、本当のことがわかっていただけるだろうなと思っております。

新「育児の原理」著者 内藤寿七郎
むすびより

アップリカ育児研究所の新「育児の原理」は学生、保育士、教育者の方々にも、育児教材として、ご出産ご結婚の贈答品としてもご利用ください。 公益社団法人 日本小児科医会 推薦図書。「お医者さんが薦める育児書」です。

0歳から5歳は神経回路をつくるシナプスが最大の瞬間
抱きしめて、あたたかい心を育てる

生まれたばかりの赤ちゃんでも、心から愛され、
温かいまなざしで、ふわっと抱きしめられると幸せを感じます。
その瞬間に、愛され、愛することを知り、あたたかい心が育まれます。
あたたかい心は、子どもをすくすくと成長させ、
その温もりは、大人になってもぽかぽかと心に宿ります。 
育児とは、子どもに栄養を注ぐと共に、
心を育てるという高度な神経機能を発揮させることです。

脳の神経回路は外からの刺激により神経細胞同士が接合して発達します。
小児神経科医ピーター・R・フッテンロッヒャー先生は
その接合部「シナプス」の年齢別密度や数を測られました。
聴覚野の神経回路をつくるシナプスの密度は生後三か月で最大になります。
視覚野のシナプスの数は生後八か月で人生の最大になり、その数は六歳で
急激に下がります。聴覚野、視覚野ともにシナプスの密度と数は、
乳幼児期のピークから十二歳頃までに大人と同じよう減少していきます。
臨界期・最適期がある、聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚の五感は
シナプスの密度と数が最大値になる五歳頃までに獲得しなければなりません。
そのためには、お母さんは温かいまなざしで子どもの目を見て
笑いかけ、話しかけ、抱きしめます。子どもは美しい自然と生き物に触れ、
色、形、響き、手触り、香り、味を学びます。
知性は大人になっても獲得できますが、五感は就学前に外からの刺激・経験を
与えないと、使わない神経回路は除去され消失し獲得できなくなります。
高次精神機能である創造する力・思考する能力・あきらめない強い意志などを
司る前頭前野のシナプスの密度は、五歳頃ピークになり、十歳頃までは
その密度をほぼ維持しますが、その後、急激に下がり、十五歳で大人と
同じように減少することもフッテンロッヒャー先生が証明されました。
感覚野や前頭前野の神経回路をつくるシナプスの密度と数が最大値になる
〇歳~五歳の「育児と保育の方法」が何よりも大切な理由がここにあります。

その方法は、〇歳児、一歳児の「抱っこ」などの自発的欲求を満たすこと、
二歳前後には命令や否定はしないで、自我の芽を尊重することです。
三~四歳からは言葉を理解し探究心を育むために、絵本の読み聞かせなどで
正しい日本語や英語のリズムを耳から聴かせます。美術館で絵の色を視る、
音楽会で音を聴くなどの感動体験もさせてください。スマホやゲームの影響で
幼児の運動量が激減しています。運動機能が急速に発達するこの時期に、安全
な公園で歩く、走る、ボール遊びで投げる、蹴るなど、戸外の運動も十分させて
ください。子どもがうまくボールを投げたら、心の底から喜んで誉めてあげてください。
脳の報酬系が刺激され、ますます、やる気と集中力が高まります。

〇歳から五歳の神経回路をつくるシナプスが最大の瞬間に、温かいまなざしで
子どもの目を見て、抱きしめ、話しかけ子どもの五感をやさしさで刺激します。
すると、子どもは生きる喜び一杯になり、人を愛し、
人から愛される「あたたかい心」が育まれます。

お母さまにこれだけは覚えていてほしい、子育ての12のルール
新「育児の原理」十二則


第一則
 お母さんになるために……
妊娠する前に風疹予防をしてください。
妊娠に早く気づき、おなかの赤ちゃんに
十分な酸素がいきわたるためにも、
朝の綺麗に透き通った風と光をいっぱい吸ってください。
妊娠初期の三、四か月までは、
胎児にとって最も重要な時期です。


第二則
 育児の原理は、
愛情を伝えるお母さんと赤ちゃんの
目と目の対話「まなかい」です。
まだ言葉がわからない赤ちゃんに、
お母さんの温かい眼差しで話しかけてあげてください。
「まなかい育児」で
赤ちゃんに健やかな体とあたたかい心が育まれ、
母と子の絆が強く結ばれます。



第三則
 赤ちゃんの消化器を初めて通るものは、
お母さんの初乳であってほしいものです。
初乳には免疫物質が多く含まれ、
細菌やウイルスの侵入から赤ちゃんを守ってくれます。
五か月までは母乳で育ててください。
母乳育児で赤ちゃんとお母さんの五感を刺激する
「母子相互作用」が起こり、
お母さんには母性の確立が、
赤ちゃんには心と体の栄養が注がれます。




第四則
 どうしても母乳をあげられないお母さんは、
育児用ミルクであったとしても、
強い信念と自信をもって、
目と目の対話をしながら
「まなかい授乳」で育ててください。
お母さんの愛情が赤ちゃんに必ず届きます。
将来、集中力のある子どもを育てるには、
お母さんの笑顔が何よりであることを
心にきざんでほしいのです。


第五則
 赤ちゃんがオッパイを飲んだあと泣いたら、
首の後ろを支えて立てて抱いてあげてください。
おなかの空気が外に出て楽になります。
唇でオッパイを探しながら泣くときは、
お腹がすいています。
二か月頃まで、あまり涙は出ません。
泣き声で赤ちゃんの気持ちをお母さんに伝えたいのです。
「赤ちゃんの声」を聞き分け、
いろいろな気持ちを受け止めてあげると
今度はお母さんの笑顔を見て微笑みます。
五か月も過ぎれば、楽しい離乳食作りが始まります。


第六則
 ゼロ歳児、特に六か月までの赤ちゃんは、
お腹を圧迫しない平らな姿勢で
仰向けに寝かせてあげてください。
そして赤ちゃんの足はカエルのように股を広げて、
しかも両足は自由に動く状態にしてあげてください。
頭を揺さぶることは大変危険です。
赤ちゃんは大人の縮小版ではありません。
生きるための機能は未熟なのです。


第七則
 ゼロ歳から一歳過ぎの赤ちゃんのしつけは
愛情を伝えるお母さんと赤ちゃんの目と目の対話をしながら
「まなかい抱っこ」だけで十分です。
「どんぶらこ、どんぶらこ」と赤ちゃんを、
ゆっくり、ゆっくりあやします。
おだやかなお母さんの声や顔そして肌から、
赤ちゃんはあたたかい心を吸収していきます。
大切なのはお母さんが、いつもゆったりと、かまえていることです。


第八則
 心の傷跡が残りやすい一歳半頃から二歳半頃のしつけは、
命令や否定ではなく、
「あなたならできるよね」と、根気よくお願いします。
自我の芽を大切にしてあげると、
子どものいろいろな能力が引き出され、伸ばされます。
この頃、自我の芽を抑えつけると反抗心となり、
いずれ復讐心にかわることさえあります。
自己制御できるようになる四歳以降、
お友達の悩みや苦しみを理解できるようになるためにも
二歳前後の心の育児はとても大切です。


第九則
 自我が活発になってくる三歳前後は
「子どもの目に訴えるしつけ」を始めてください。
お母さんが子どもの目に
生活態度のお手本を見せてあげてください。
〝ダメ〟〝いけません〟の
言葉によるしつけは、まだ通じません。


第十則
 三歳前後の子どもは
思った通りにできなくても、
繰り返しやることにより、
体の動かし方、手足の使い方を訓練しているのです。
それができると達成感を覚え、
さらに難しいことをやってみようとする
意欲が湧いてくるのです。
危なくなければ見守ってあげてください。


第十一則
 四歳前後になってようやく、
〝ダメ〟〝いけません〟などの
「言葉によるしつけ」を始めてください。
どうしてダメといわれたのかがわかるようになり、
心や体を自分の意思でコントロールできます。
子どもが目標を達成したら
「よくできたね」と、一声かけてください。
お母さんの励ましが、
あらゆることに積極的に立ち向かうための特効薬となります。


第十二則
 子どもは無限の可能性をもっています。
その心と体を育む育児は子どもを抱きしめ、
心の底からのほおずりをするだけでよいのです。
子どもと一緒に過ごす時間の長さより、
お母さん、お父さん、保護者の方の愛情の深さが大切です。
地球上で一人だけでも、いつも自分を理解し、
全面的に受け入れてもらえる人間がいることを
子どもに知らせることができればそれでいいのです。
それが大人の責任です。




新「育児の原理」著者

内藤 寿七郎

1906年、東京生まれ。東京帝国大学医学部卒業。東大小児科教室勤務後、愛育病院院長、愛育研究所所長に就任。68年、藍綬褒章を受章、77年、愛育病院名誉院長、84年、公益社団法人日本小児科医会初代会長。92年、シュバイツァー博愛賞受賞。国連環境計画特別顧問や日中育児研究会会長を歴任し、97年、日本小児科医会名誉会長を務める。2007年、101歳で天寿を全うする。“育児の神様”と日本の小児科医師から呼ばれ、小児科医療の第一人者として知られる。『新「育児の原理」あたたかい心を育てる 赤ちゃん編』(角川ソフィア文庫KADOKAWA) 『新「育児の原理」あたたかい心を育てる 幼児編』(角川ソフィア文庫KADOKAWA)など著書多数。

新「育児の原理」監修者open

小林 登

1927年、東京生まれ。東京大学医学部卒業、医学博士。東京大学名誉教授、国立小児病院名誉院長、アップリカ育児研究所最高顧問。国際小児科学会会長、臨時教育審議会委員など多くの政府委員、学会役員を務めた。『子ども学』(日本評論社)『母学 赤ちゃんを知る。そして母になる。』(アップリカ育児研究所)など著書多数。  著書「母学」が、東京藝術大学社会連携センター主催 アップリカ育児研究所共催の「母学会議」のテーマテキストとなる。 小児科医師として「やさしさですべての子ども達が生きる喜び一杯になるように」と願い、世界各国を駆け巡った。国際小児科学会賞、日本医師会最高優秀功労賞など受賞歴多数。 2019年12月逝去。

新「育児の原理」出版社 理事長open

葛西 健蔵

アップリカ創業者
アップリカ育児研究所 理事長
1926年 父 丑松 母 稲子の長男として大阪で生まれる。 1970年 赤ちゃんの心と体を育む「アップリカ育児研究会」を設立。 日本小児科医会初代会長 内藤寿七郎先生、漫画家の手塚治虫先生と3人で「あたたかい心を育てる運動」を開始する。1989年 アップリカ育児研究会が「育児の原理-あたたかい心を育てる―」を刊行。 1993年 「あたたかい心を育てる提唱者として」国連環境計画世界少年フォーラムより特別表彰。 1995年 「あたたかい心を育てる運動」で、アルバート・シュバイツアー財団「生命の畏敬賞」を受賞。 1999年 勲五等瑞宝章 受勲。2004年 英国紋章院より、赤ちゃんの幸せに貢献した日本人として紋章が授与された。 2013年 アップリカ育児研究所の理事長に就任。 『新「育児の原理」あたたかい心を育てる』を刊行。 2016年 NHK「ファミリーヒストリー手塚 眞」に手塚治虫先生と葛西健蔵の友情が大きく取り上げられ、全国から感動の声が届いた。 2017年10月21日 「子どもを祈る」と最後の言葉を書き残し永眠。享年九十二歳。


手塚治虫名作「どついたれ」手塚治虫文庫全集(講談社)は、戦時中、造幣局以外で金鵄勲章(きんしくんしょう)を作っていた民間のスチール家具メーカーの葛西製作所を舞台に物語が始まる。手塚治虫、自らも登場する戦後史の青春物語である。その物語の主人公、葛城健二は実在の人物 葛西健蔵がモデルであり、友人 廣瀬昭夫氏、津田友一氏と3人が逞しく戦後を生きる姿が描かれています。

お母さんと子どもの想い出絵本

イラストレーション

黒田 征太郎
Kuroda Seitaro

2020年改訂版に「お母さんと子どもの想い出絵本」が登場しました。
―絵 黒田 征太郎―

1939年 大阪道頓堀生まれ。 グラフィックデザイナー早川良雄に師事。
長友啓典とデザイン界の巨人K2を設立。
2009年活動の拠点をニューヨークから北九州市と大阪市に移す。
大阪アメリカ村の巨大壁画鳥人「PEACE ON EARTH」は
黒田の空な心で自由に羽ばたける平和な地球を表現。
ワルシャワ国際ポスター ビエンナーレ、日本グラフィック展年間賞など受賞多数。
著書に「黒田征太郎KAKIBAKA 描く男」求龍堂、
絵本「風切る翼」作 木村祐一 絵 黒田征太郎 講談社。
2018年「僕は手塚治虫になりたかった。黒田征太郎展」を開催。
2019年朝日新聞「be」紙上で連載小説「火の鳥 大地編」。
手塚治虫原作、桜庭一樹 作、黒田征太郎 挿絵。
絵本「18歳のアトム」原作 手塚治虫、絵・原案黒田征太郎、
文稲場茂勝発行・今人舎など著書、絵本多数。
「すべての子ども達はアーティストである」が信条。



写真を貼ったり、お子さまと一緒にお絵かきしたり…
想いのままにお使いください。
世界でひとつだけのお母様がつくる絵本です。
お子さまが大人になられたとき、
ご自身では触れない「赤ちゃんのときの記憶」が、
この絵本に写し出され、お子さまとお母さまの幸福感が、きっと甦ります。

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新「育児の原理」目次

育児書 新「育児の原理」は以下の項目で綴られております。

あたたかい心を育てる

新「育児の原理」十二則

赤ちゃん編

第一章 育児の心がまえopen
  1. お母さんになるために 
  2. 母性は出産直後の一週間で目覚める 
  3. 出産直後のお母さんへのやさしい勇気づけ
  4. 生まれてすぐの赤ちゃんにも感受性がある
  5. お母さんの誇りと責任  
  6. 赤ちゃんは、母子相互作用でお母さんの心の影響を受ける  
  7. 天からの授かりもの   
  8. お父さんの育児参加   
  9. 父親の私は、医者であることを忘れ産室ではオロオロと   
  10. 私が初めて父親になったころ   
  11. 三十歳代の初産は普通です   
  12. お母さんひとりだけの育児であっても
第二章 母乳open
  1. 母乳育児は、赤ちゃんの心と体に栄養を注ぎます   
  2. 母乳分泌が悪いお母さんへ   
  3. 免疫物質IgAが多く含まれている初乳   
  4. よい母乳を出すには   
  5. 母乳栄養児は赤みが強く、肌がつるつるしている   
  6. 未熟児と初乳   
  7. 母乳栄養と赤ちゃんの体重   
  8. 母乳の水銀濃度は低く赤ちゃんに影響はない   
  9. 母乳をあげられないお母さんへ   
  10. 生後五~六か月頃、離乳食の始まりです
第三章 育児用ミルク(粉ミルク・液体ミルク)open
  1. 育児用ミルクの問題点   
  2. 母乳で最初の二週間はがんばる   
  3. 母乳から育児用ミルクへ移るとき   
  4. 混合栄養ヘスムーズに移るために   
  5. 牛乳アレルギーについて   
  6. WHOと厚生労働省の授乳についての指針は
第四章 赤ちゃんの心の発達と体の成長open
  1. 生まれたばかりの赤ちゃんでも、目が見える   
  2. 育児の原理は〝まなかい〟に   
  3. 視覚を通じて、心だけでなく脳も発達する   
  4. 生まれた直後の赤ちゃんにも人格がある   
  5. 赤ちゃんは、生理的にも心理的にも「快・不快」を感じる   
  6. 赤ちゃんには、ゆっくりした「どんぶらこ」のリズムを   
  7. 泣き声で、赤ちゃんの気持ちをお母さんに伝えたいのです   
  8. 自然にまかせて、思うままに愛情を   
  9. お母さんの笑顔が赤ちゃんの心を育てる   
  10. 赤ちゃんの気持ちは   
  11. 赤ちゃんの笑いには二種類ある   
  12. 三か月健診のときのチェックポイント   
  13. 赤ちゃんは、自分の感覚で確かめながら成長する
  14. 赤ちゃんの心に喜びや人への信頼感を芽ばえさせるには   
  15. 生後三〜四か月の指しゃぶりは生理的なもの   
  16. 指しゃぶりがいつまでも続くときは   
  17. お母さんの育児は完璧でなくてもよいのです    
  18. 母乳であっても育児用ミルクであっても「まなかい授乳」を   
  19. 夜泣きの原因はお母さんのイライラと外気浴の不足です   
  20. 夜泣きには笑顔の無言療法を    
  21. お母さんへの思いやりが夜泣き治療の特効薬   
  22. 赤ちゃんの中には、生まれつき手のかかる子がいる  
  23. 大切なのは、お母さんがいつもゆったりとかまえること   
  24. 子育て上手なお母さん    
  25. おんぶの効用   
  26. 赤ちゃんをベビーカーにのせてゆったり歩くことは   
  27. ひとり遊びから生まれる創造力   
  28. あと追いをする赤ちゃん   
  29. 生後まもない赤ちゃんとの添い寝は反対です   
  30. 言葉の遅い子   
  31. 赤ちゃん用品の考え方   
  32. うつぶせ寝と突然死   
  33. 赤ちゃんの脳と心の発達
第五章 赤ちゃんのしつけopen
  1. ゼロ歳から一歳過ぎのしつけは、「まなかい抱っこ」だけで十分です   
  2. 甘え泣きされたとき   
  3. 七〜八か月からけじめをつけて
年齢別育児のワンポイントアドバイス(妊娠期から思春期)

幼児編

第一章 幼児の心の発達と体の成長open
  1. 一歳半頃から二歳半頃の心の育児は最も大切です  
  2. 一歳半頃から芽ばえる大切な自我   
  3. 二歳児には命令ではなく「あなたならできるよね」と     
  4. 二歳児の心の傷跡は   
  5. 二歳児になると嫉妬心が芽ばえます   
  6. 他の子とくらべて、人まえで我が子の心を傷つけない   
  7. きょうだいが生まれるときの子どもの心への影響   
  8. 上の子を優先させても悪い影響は出ない   
  9. 過保護は禁物です   
  10. 最近は夜ふかし朝寝坊型が増えている   
  11. 望ましい昼寝の習慣   
  12. 三歳児の反抗は   
  13. 個人差が大きい三歳児   
  14. バランス感覚を身につける   
  15. 困ったクセ   
  16. けんか   
  17. 仲間はずれにしたくないなら    
  18. きょうだいげんか   
  19. 無限の空想と発想を呼び起こす「おもちゃと公園」   
  20. 〝心のサイズ〟とおもちゃの年齢   
  21. 三歳からの「どうして?」   
  22. 心の安定があってこそ栄養が身につく   
  23. 子どもが朝食を食べないとき   
  24. 言葉につかえるとき   
  25. 強い体質をつくるには   
  26. 子どものかまいすぎはストレスに   
  27. 心の危険信号に気づく   
  28. 落ち着きや集中力のない子ども   
  29. お稽古ごと   
  30. 進学塾へ行かせているお母さんへ   
  31. ひとつの能力だけで子どもを評価しない   
  32. 男らしさ、女らしさ   
  33. 性への関心   
  34. マザーコンプレックス
第二章 幼児のしつけopen
  1. 幼児のしつけの基本は   
  2. お母さんが育児の主役   
  3. 脳の報酬系を刺激する   
  4. トイレのしつけ   
  5. きびしいしつけと、やさしいしつけ   
  6. 子どもとの約束を守る   
  7. 子どもの嘘は   
  8. 体罰は必要ありません   
  9. 三歳前後から子どもの目に訴えるしつけを   
  10. 三歳になったら気をつけたいこと   
  11. なんでもやってみたい三歳児   
  12. 自立心の強い子どもを育てるためには   
  13. 偏食のこと   
  14. 子どもが人まえで騒ぐのは   
  15. きれいで丈夫な歯は健康のもと   
  16. 古いおもちゃを使って物を大切にするしつけを   
  17. 四歳前後からは言葉によるしつけを   
  18. しかり方   
  19. お母さんもテレビやスマホにけじめを   
  20. ひとりっ子   
  21. 子どもを日常の危険から守る
第三章 仕事か育児か悩むお母さんへopen
  1. 育児は心の底からのほおずりをするだけでよいのです   
  2. 忙しいお母さんこそ子どものまわりの人に気遣いを
最終章 地球環境と育児open
  1. 未来の子ども達の幸せのために、今、私達ができること
年齢別育児のワンポイントアドバイス(赤ちゃん期から思春期)open
  1. 赤ちゃん期(乳児期のゼロ歳児から一歳半頃)   
  2. 幼児期前期(一歳半頃から二歳児)   
  3. 幼児期後期(三歳前後)   
  4. 前学童期(四歳前後から小学校入学前)   
  5. 小学校低学年期(一・二・三年生)   
  6. 小学校高学年期(四・五・六年生)   
  7. 前期思春期(中学生)   
  8. 後期思春期(高校生から成人になる前段階)
お母さんと子どもの想い出絵本  絵 黒田 征太郎



新「育児の原理」推せんのことばより

漫画家

手塚 治虫

最初のページから
衝撃と感動の連続である。
―手塚治虫 推せんの言葉―より

新「育児の原理」
―手塚治虫 推せんの言葉―より

私は内藤先生と中国視察にご一緒する光栄を得た。これはまたとない機会である。育児問題について先生のご高説を伺えるチャンスだと大いに期待していたが、ついにその機を得ずじまいだった。その代り先生が視察された各所の育児研究機関にお伴をしたお陰で、先生のお人柄にふれ、その適切なご意見と共に感銘を新たにしたものである。  私が伺いたかったことに関しては、今回のご高著に微に入り細に渉ってお書きになっているので、もう何も申し上げることはない。このご著書は、最初のページから衝撃と感動の連続である。まず「出産後一週間がいかに重要か」という項で、出産直後から昼間の八時間は母親が赤ちゃんに自由にさわれることが大事で、母子が隔離されれば、その後二年間にいろいろ問題が起きる。その重要な点は母性愛がその期間に強く発揮されるからだと述べられたこと。これは私か最も心にわだかまっていた点で、私の息子や娘が出産後すぐ別室へ隔離されて、私はガラス越しに「あれがお子さんですよ」と説明を受け、なんと水臭い冷たい処置だろうと不満を持っていたのだが、先生のご説明でわが意を得た思いであった。  また、「米国の報告では出産後10分で人間の顔を正しく描かれた絵に新生児が反応を示す」ということも、大きなショックであった。そして先生はその報告に対して「絵を理解するということでなく、雰囲気に敏感なのだ」と説明されていた。赤ちゃんだから何もわかるまいと思って、私などはずいぶんわが子にいたずらなどをしたものだが、そういった雰囲気に対する嫌悪感がわが子に残っていたとすると、すでに成人した現在の息子や娘に相対するのもなにかおもはゆい感じがする。  とにかく、最初の章からこうである。全篇に驚くべき幼な子の生態と、育児の難しさや両親の生活の重大さの指摘が満ち溢れていてひしひしと胸を打つ。これは医学書ではなく心の書であり、人間論である。ことに重要なのは「子供を生み育てる—巨大な人類のサイクルを担っているのがお母さんです」と断言されていることである。「育児よりも享楽を、レジャーを、仕事を」という今日の女性の生き方に、大きな警鐘ともなるべき名言であろう。



Top News

最新医学に基づき改訂された2020年版 『新「育児の原理」あたたかい心を育てる』が刊行されました。日本の小児科医が薦める「育児のバイブル」です。公益社団法人 日本小児科医会推薦図書。お母様に覚えてほしい、新「育児の原理」十二則と、巨匠 黒田征太郎先生のイラストで母がつくる絵本「お母さんと子どもの想い出絵本」も収録されました。

新「育児の原理」あたたかい心を育てる

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公益社団法人 日本小児科医会 推薦の育児書です。

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