まなかいとは、辞書をひくと「目と目の間、眼の前」という意味が出てきます。
しかし、育児の神様といわれた内藤寿七郎先生が書かれた 新「育児の原理」(アップリカ育児研究所)では、「目と目が合うこと」という意味で使われています。そして、育児の基本は、赤ちゃんの目を見ることにあるとも言われています。
生まれたばかりの赤ちゃんでも、目は見えています。目を見つめると、視線をあわせてきます。ゆっくりと視線をそらすと、赤ちゃんの視線もおいかけてきます。アップリカ育児研究所からのお願いです。目で話しかけてあげてください。優しい気持ちで赤ちゃんを抱き、赤ちゃんを見つめてあげれば、赤ちゃんにも愛情が伝わります。これが内藤先生とアップリカ育児研究所が考える「まなかい」育児です。
なかなか泣き止まない赤ちゃんや子供。不安や焦りを感じながら、よしよしとあやしたり、赤ちゃんや子供を抱いていませんか?子供はもしかしたら見抜いているかも、と思える方もおられるかもしれませんが、実は赤ちゃんも何かを感じているのでしょう、素直に受け付けてくれません。「うるさいな」という気持ちのままですと、なかなか泣き止んでくれません。
アップリカ育児研究所がご提案します。うるさいという気持ちをすてて、やさしいまなざしで、赤ちゃんと目と目で対話してあげてください。
自然と、泣いていた赤ちゃんも落ち着き、視線をあわせてきます。赤ちゃんの目と親の目による「こころの対話」は、赤ちゃんを健康な心身に育てるためには、とても重要なことです。
まなかいに、さらに、やさしく抱いてあげてください。赤ちゃんにとって、とてもよい穏やかな刺激になります。東京大学名誉教授 小林登先生が提唱されている「子ども生命感動学」でも、言葉の発達する前の乳児期の育児は、“優しさ”を中心にしなければなりませんとあります。言葉がわからなくとも、タッチング・スキンシップとともに、優しい言葉による語りかけが重要とされています。 子育ては、穏やかな刺激を積み重ねていくことが、赤ちゃんの脳の発達もよいのです。 優しい気持ちで、赤ちゃんを抱いてあげてください。そして、目と目で対話をしましょう。そのときは、優しい言葉を投げかける、この時間を大切にしてあげてください。
私はつねづね、「育児の原理は〝まなかい〟にある」と考えています。〝まなかい〟とは、本来は「目のまえ」という意味ですが、私は「目と目が合うこと」というような意味で使っています。つまり、育児の原理は、赤ちゃんの目を見ることにあるというわけです。
生まれた直後の赤ちゃんでも、温かい眼差しで見つめてくれる人には視線を合わせるのです。赤ちゃんの心にお母さんの愛を伝えてくれるのが、この〝まなかい育児〟なのです。
以前、新生児担当の女性のお医者さんと回診をしていたとき、その女性から「ああ、くやしい」と言われたことがあります。どうしたのかとその理由をたずねると、「内藤先生が診察なさると、どの赤ちゃんも、みんなおとなしくなるんですもの」と言うのです。
自慢するわけではありませんが、私は「泣く子も黙る内藤」といわれています。べつにタネもシカケもありません。私は、いつも無心で赤ちゃんを抱いたり、目で話しかけるように努めているだけです。これが「うるさいから、泣きやませよう」とか、「なついてくれるかな」とか、ちょっとでも考えると、やはり邪心がはいるのでしょう、赤ちゃんは素直に受けつけてくれません。やはり大切なのは、こちらの気持ちと、それを伝えるまなざしだと思います。
まだ言葉がよくわからない赤ちゃんでも、目と目で対話ができるわけですが、この、目による〝心の対話〟は、赤ちゃんの健康な心身を育てるために、たいへん重要なことなのです。
やさしい気持ちで赤ちゃんを抱き、赤ちゃんを見つめてあげればいいのです。「まなかい抱っこ」で愛情が伝わり、赤ちゃんの心は安定するのです。こうした目で伝える愛情は、いくら赤ちゃんにふり注いでも、与えすぎになることはありません。